福島毅さん

福島毅さん

(福島農園)

つくっているもの

森人の梅、梅ちゃんサイダー、梅善地

買えるところ

ホームページ、前橋市内スーパー、エキュート(東京駅内)紀伊国屋 新宿高島屋店

農業とクリエイティブの共同作業で高まるブランド力

就農して8年目を迎える。2011年に発生した原発事故で大きな取引先を失った。福島毅さんは、この時、付加価値の高い商品を消費者に直接売っていかなければ生き残れないと感じ、新たな商品開発をスタートさせた。最初に手掛けたのは「梅ちゃんサイダー」。2015年、「梅干し以外の梅製品を」として地サイダー作りを思いついた。このときに重視したのは、ネーミングやラベルのデザインなどの重要性。見た目から入り手に取る人が多いということに感じていたからだ。農家の作るものだから、デザインは二の次というのでなく、六次化においては農家とデザイナーは同じ立場だということだ。

次に取り組んだのは、梅干しそのもののブランディグだった。『森人の梅』と名付けた梅干しは、完成度の高い商品となり、首都圏で好評を得ている。現在は東京駅内の「エキュート」、新宿高島屋内の「紀伊国屋」などで売られている。販売はすべて独自ルートを開拓してきた。前橋のスーパーでは、いわゆる日配品として扱ってもらえるように交渉した。都内の有名スーパーにもどんどん売り込んでいる。

そして今月発売を開始したのが、梅シロップを使った寒天菓子の「梅善地」。パティシエと共同開発した渾身の商品は、ほどよく甘酸っぱい梅の風味と赤豆、こんにゃく、白桃の食感が良く合う。大量生産が難しく、作りたてを届けたいという思いから、ネットで注文を受けて自家で製造を行う受注生産とした。

福島さんのチャレンジ精神は世界にも向いている。梅干しはすでに北米への輸出も始めている。今後は東南アジアを視野に入れている。同業の仲間には「なぜそこまで?」という目で見られることもあるそうだが、「売れる売れないという結果ではなく、そこまでの過程が大事。それが自分を成長させてくれる」と前向きに語る。また2020年の東京五輪に向けてウェブサイトも多言語化する予定だ。世界中が日本に目を向けている今をチャンスと捉え、五輪の時には都内に直営店を出すという目標に向けて休むことなく発信を続けていく。

福島毅さん

福島毅さん

(福島農園)