和田裕之さん・佳子さん

和田裕之さん・佳子さん

(農園たお)

つくっているもの

ズッキーニ、インゲン、トマト、キュウリ、ピーマン など

人とのつながり、自然の恵みを全身で満喫する、農園たおの豊かな暮らし

農園たおの1年は忙しい。サニーレタスやロメインレタス、油麦菜などの葉物が中心の春に始まり、ズッキーニやインゲン、トマト、キュウリ、ピーマンといった生り物がたわわに実る夏、春菊や水菜、赤水菜、ルッコラ、カブ、赤カブ、大根など、根菜も葉物も豊富な秋へと移り変わっていく。1月~3月までの農閑期を除けば、この農園では常に多種多様な旬の野菜が育まれているのだ。

「うちは1種類を専門的に生産するのではなく、年間を通して多種多様な野菜を小規模で作っています」と話す和田さんご夫婦。家族構成の変化やSNSブームといった時代の流れによって、小さな野菜や見た目の華やかな野菜など、日々変化していく消費者の動向を敏感にキャッチしながら、毎年新しい野菜作りにもチャレンジしている。

農薬や化学肥料に頼らず、動植物質の堆肥だけを用いた有機栽培に取り組む流通組合「くらぶち草の会」の現代表を務めるご主人の和田裕之さんと、妻の佳子さんが倉渕町に移住して農業を始めたのは1997年のこと。以前は都内の「大地を守る会」で流通に携わっていたご夫婦は、全国各地の産地に赴き農家と触れ合うなかで、自然と農業への関心を深めていった。いくつもの産地を巡る中でも、特に心惹かれたのがここ倉渕地域だったと振り返る佳子さん。消費者と生産者をつなぐ交流会を通じて「くらぶち草の会」の創設者であり前代表の佐藤茂さんと出会ったことで、「ここで農業をやりたい!」という思いが募り就農を決意した。

ご夫婦が営む農家としての暮らしは、ただ野菜を生産して販売するだけにはとどまらない。採れたての野菜を使った「石窯ピザを100枚焼く会」や、畑が舞台の運動会、収穫祭など、農園たおではいつもさまざまなイベントが繰り広げられている。佳子さんは「誰でも気軽に遊びに来て、土に触れる。そして元気になって帰れるような息抜きの場所になれば嬉しい」と話すように、農業の楽しさや食の大切さを伝える活動もまた、ご夫婦にとっては大切なライフワークなのだ。

自然とともに生きることは「楽しいことばかりじゃないけど、やっぱり土に触れるって心が癒されるし、いいよね」とほほ笑み語り合うご夫婦。その生き生きとした表情からも、ここでの暮らしの豊かさがしっかりと伝わってくる。

和田裕之さん・佳子さん

和田裕之さん・佳子さん

(農園たお)