廣瀬光昭さん

廣瀬光昭さん

(株式会社三光ファーム)

つくっているもの

フルーツミニトマト

買えるところ

直売所

フルーツミニトマトが話題!群馬の農業活性化を目指す企業の挑戦

農地と住宅街が複雑に入り組む高崎インターチェンジ付近の地域を拠点に農業に取り組み、ブランドトマト「SWEET 10」が注目を集める「三光ファーム」。母体となるのは、長年この地で土地分譲を専門とする不動産業を営んできた「有限会社 三光企画」だ。社長の廣瀬光昭さんが異業種から農業への参入を決めたのは約4年前。農地を所有する地主らと話すなかで目の当たりにした、農業従事者の高齢化と後継者不足による耕作放棄地の増加に危機感を抱くようになったことがきっかけだった。「倉渕町や昭和村のように農業が盛んな地域では起きない問題が、こうした市街化調整区域(農地)と市街化区域(住宅地)の狭間では深刻。土地の専門家としてその状況を見てきたからこそ、あえてこの土地で挑戦しようと決めました」と語る。

平成28年に農業法人として動き出した三光ファームでは現在、トマトをはじめ米や麦、季節野菜などを多彩に手がける。なかでも、「アイメック農法」を導入した高糖度のフルーツミニトマトは同社の看板商品。糖度が10度以上のものだけを選別したブランド「SWEET 10」は初年度から大手百貨店での取引が生まれたほど高い評価を得ている。「私たちは農業分野ではまだまだ初心者。周りと同じことをしていては、先輩農家には敵いません。他所とは違う土俵で勝負するために導入したのがアイメック農法によるフルーツミニトマトでした」と廣瀬さん。アイメック農法とは、神奈川県にある「株式会社メビオール」が開発した世界初の栽培技術。ナノサイズの穴が無数にあいたハイドロゲル膜の特殊な薄いフィルムに苗が根を張り、適度な水と養分を吸い上げる仕組みだ。農薬不使用でも、バクテリアや細菌などによる汚染を防ぐため安全性も高い。また、糖度が高いだけでなく、食味や香り、リコピンやアミノ酸といった栄養価も高く、抗酸化作用の強さも実証済みだ。

最近では本社敷地内に加工場が建設され、自慢のトマトを使った加工品の製造にも力が入る。「SWEET 10」だけを贅沢に使用した100%トマトジュースや、果肉入りのジュレ、まるでフルーツのようなジャムを手がけるほか、季節野菜のプリンなどもあり多彩なラインナップが魅力だ。また、地元農業の活性化のため地産地消への思いも強い廣瀬さんは、ハウス併設の直売所もオープン。生産から加工、販売までを自分たちでまかない、農業における6次産業化も実現させている。

次なる目標は、地域活性化に向けた観光要素の付与や、新しい加工品の開発だ。「なにがヒットするかわからないからこそ、いろいろと試行錯誤していきたい」と意気込む廣瀬さん率いる三光ファームの今後に期待したい。

廣瀬光昭さん

廣瀬光昭さん

(株式会社三光ファーム)