外處克さん

外處克さん

(久留馬の郷)

つくっているもの

プラム、ウメ、長ネギ、ナス、ジャガイモ など

買えるところ

JAはぐくみ直売所(はにわの里、ふれあいの郷)、四季彩館、JAたかさき フレッシュべじたか、高崎じまん

父から2代目へ受け継がれる果樹栽培

古くから榛名山の麓で果樹栽培を行ってきた父の後を継ぐため、外處克さんと妻の美恵子さんが専業農家としてデビューしたのは2019年の春。現在は、父の賢司さんを中心に高浜地区と中里見地区に所有する約2ヘクタールの農地を管理しながら、メインのプラムやウメをはじめ、長ネギやナス、ジャガイモといった露地野菜を作っている。

作業場のある高浜地区では主に、「久留馬の郷」の看板商品となっているプラムを栽培。収穫時期が異なる6種類を手がけ、「大石早生」や「ソルダム」、「太陽」といった代表的な品種から、「サマーエンジェル」、「サンタローザ」、「サンセプト」といった珍しい品種まで多彩に揃えている。どれも甘さや酸味や色合いなどにそれぞれの魅力があるが、特に大粒でジューシーな甘さが特徴の「太陽」は、贈答品としても評判を集めている自慢の品だ。

少し離れて、フルーツの生産が盛んな中里見地区では、「白加賀梅」や「南高梅(紀州梅)」など5種類の梅を栽培。なかでも注目は、大粒で赤い果肉が特徴の「紅の舞」という品種で、梅干しには適さないがジュースや梅酒などに加工すると真っ赤に染まって美しい。

上質な実をつけるためには、木の剪定や受粉、袋かけといった日々の手入れが欠かせない。そのため同園の果樹栽培では、木の主枝を地面と水平に誘引し、その先端部を隣接する木の主枝に接ぎ木して複数の木を連結させる「ジョイント仕立て栽培」を実践。そうすることで作業の省力化が図れるだけでなく、栄養の吸収においてもプラスの効果が発揮されるという。行儀よく並んだプラムの木々に淡いピンクの花が咲く春は、夫婦にとってお気に入りの季節だ。

理想の農家ライフ実現に向かって突き進む、久留馬の里の農業経営

「昨年は冬が旬のチヂミホウレンソウをたくさん作りました。冬至を過ぎて糖度が8パーセントを超えたら食べごろです。高崎よりも都内での需要が高いと聞いたので、今後も生産を続けたいですね」。そう話すのは、以前は会計事務所に勤務し企業の経営相談などに携わってきたという美恵子さん。幼いころに祖母の畑仕事を手伝っていた時の楽しかった記憶から、年を重ねるごとに「自然に触れたい」という思いが募り、オフィスを離れて農家としての第2の人生を歩み始めたという。

日の出とともに起きだして農作業をする今の暮らしは「毎日が楽しい!」と微笑む。春先にはタケノコやフキノトウなどの山菜を採ったり、白ナスや紫ハクサイなどのカラフルで華やかな野菜を取り入れてみたりと、好奇心の赴くままに憧れだった農家ライフを満喫中だ。

最近では、生産・加工・流通・販売まで多角的な農業経営を行う6次産業化にも意欲を見せ、父の代から細々と続けてきた養蜂も徐々に規模を拡大している。「いずれはハチミツを使ったプラムやウメのジュースやジャムなど、うちならではの加工品作りにも挑戦したい」と意気込む。久留馬の郷の農業経営はまだ始まったばかりだ。

外處克さん

外處克さん

久留馬の郷(久留馬総業株式会社)