信澤昂助さん

信澤昂助さん

(のぶさわ農園)

つくっているもの

いちご、露地野菜、米麦、エディブルフラワー など

買えるところ

直営店、高崎じまん、JAたかさき グル米四季彩館

親子3人で営む信澤農園が作るみずみずしさが自慢の朝摘みイチゴ

市街地と郊外との狭間に位置する下大類町は、ビニールハウスが整然と並ぶのどかな風景が広がる農業が盛んなエリアだ。ここで父の信澤健治さんと母の京美さん、そして息子の昂助さんの3人で農業を営む信のぶさわ農園では、看板商品のイチゴ「やよいひめ」をはじめ、露地野菜、米麦、そして県内では珍しい「エディブルフラワー」を手がけている。

多品種少量生産に取り組む信澤農園だが、30年ほど前の祖父母の代までは養蚕農家として群馬の絹産業に貢献。専業農家となった現在は、かつて蚕を育てていた蚕室を作業場を兼ねた直売所として改装し、地元の消費者に向けて採れたての農作物や加工品などを販売している。

平成25年の雪害でハウスが倒壊し、その2年後に作業場から少し離れた場所に加温式ハウスを再建したタイミングで新たにイチゴの栽培をスタート。生産規模はワンシーズンで7000から8000株と小さめではあるが、そのぶん味と鮮度にこだわった生産と販売がのぶさわ農園の強みだ。栽培では有機を基本とした農法を実践。収穫では果肉全体が真っ赤に色づく完熟状態を待つことで、「甘くてみずみずしい」と評判の大粒いちごに仕上げている。また「前日の光合成で作り出された養分がギュッと詰まっている朝に摘み取るのもおいしさの秘訣」と親子3人が口を揃える。朝摘みならではのおいしさを届けたいという思いから、販売先は自宅直売所や「高崎じまん」、JAたかさきの「ぐる米 四季彩館」などを中心とし、その日のうちに消費者の元に届けている。

料理を華やかに彩る色とりどりのエディブルフラワー

イチゴハウスの隣には、母の京美さんが世話をする切り花や食用花のためのハウスもある。食用花は、観賞用の花の中でから食用に適した種類を低農薬で栽培したものを指し、近年は「エディブルフラワー」と呼ばれて料理やスイーツを華やかに彩る食材としても人気が高まっている。

「花に囲まれながらの仕事は楽しいし、お客さんに『きれい』と喜んでもらえたときがいちばんの幸せ」とほほ笑む京美さん。毎年12月中旬になるとパンジーとヴィオラが咲き始めたのを合図に、キンギョソウ、アリッサム、キンセンカなどが順に開花し、翌年の4月頃までハウス内は色とりどりの花で埋め尽くされた夢のような景色が広がる。見た目が華やかでかわいらしいエディブルフラワーだが、花の品種によって「大根みたいな風味」や「淡白な味」「清涼感のある味」など、味の個性もさまざまだ。

また花のハウスの一角ではほかにも、からし菜やケール、ルッコラ、スイスリチャード、レタス、サラダほうれん草などの葉野菜や、イタリアンパセリ、チャービル、ディルなどの香草も種類豊富に栽培。直売所ではサラダセットも販売しているため、エディブルフラワーとあわせて購入し、いつもとは違う食卓を楽しんでみては。

信澤昂助さん

信澤昂助さん

のぶさわ農園